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パレコウイルスparechovirus

流行性筋痛症について(2018年1月掲載)

 4日程度の潜伏期後、突然の発熱とともに筋肉痛が出現する。痛みは胸部や上腹部にみ られることが多く、痛みの強さや継続時間は症例によって異なる。呼吸運動や咳で痛みが増強することもある。痛みは頸、体幹、四肢に広がることもある。症状から、肺炎や心疾患、腹膜炎などの腸疾患と間違われやすい。通常は数日で軽快する。原因ウイルスとしてはコクサッキーウイルスB型によることが多く、その他、コクサッキーウイルスA型やエコーウイルスの報告もある。年齢としては小児にも成人にもおこりうるが、30歳以下にみられることが多い。ボルンホルム(Bornholm)病などとも呼ばれる。
 パレコウイルス3型による筋痛症の特徴としては、感冒様症状に加えて発症する筋肉の痛みが、胸部や上腹部でなく、むしろ上下肢近位筋(上腕や大腿)に多くみられること、30-40歳を中心とした若い成人(特に男性)に多いこと、小児におけるこのウイルスの流行期に報告が多いこと、などである。

パレコウイルス3型

 パレコウイルス3型は、2004年、愛知県衛生研究所の研究者らが世界で初めて報告した新しいウイルスである。特に小児科領域の感染症の原因ウイルスとして注目を集めている。日常よく見られる小児の感染症である呼吸器感染症、胃腸炎、発疹症はもとより、重症感染症である新生児の敗血症、髄膜脳炎の原因ウイルスと考えられている。我が国では、2006年、2008年、2011年、2014年、2016年に報告が多く、2-3年毎に夏を中心に流行がおきると考えられている。
 成人疾患との関連では、2012年、世界で初めて、山形県衛生研究所・山形県内の神経内科医・国立感染症研究所のグループ(厚生労働科学研究班)が、このウイルスが成人流行性筋痛症の原因ウイルスであることの可能性について2008年の経験をふまえて論文発表した。2011年の山形での経験についても続編として2013年に論文発表している。2014年の山形の流行では、この疾患が小児でもおこることを報告した。
 2014年以降、大阪、奈良、神奈川など日本各地からパレコウイルス3型による筋痛症の論文・学会発表が相次いでいるが、海外からの報告はまだない状況(*)にある。
* PubMedでmyalgiaとparechovirusで検索

以下の文献もぜひ、ご覧ください。

  1. 衛研ニュース No.165 (平成24年9月発行)
  2. 衛研ニュース No.172 (平成26年6月発行)
  3. 衛研ニュース No.181 (平成28年9月発行)
  4. 衛研ニュース No.182 (平成28年12月発行)
  5. Mizuta K., Kuroda M., Kurimura M., Yahata Y., Sekizuka T., Aoki Y., Ikeda T., Abiko C., Noda M., Kimura H., Mizutani T., Kato T., Kawanami T. and Ahiko T.: Epidemic myalgia in adults associated with human parechovirus type 3 infections, Yamagata, Japan, 2008. Emerg.Infect.Dis. 18:1787-1793,2012
  6. Mizuta K., Yamakawa T., Nagasawa H., Itagaki T., Katsushima F., Katsushima Y., Shimizu Y., Ito S., Aoki Y., Ikeda T., Abiko C., Kuroda M., Noda M., Kimura H., and Ahiko T.: Epidemic myalgia associated with human parechovirus type 3 infection among adults occurs during an outbreak among children; Findings from Yamagata, Japan, in 2011. J.Clin.Virol. 58:188-193,2013.
  7. Mizuta K., Yamakawa T., Kurokawa K., Chikaoka S., Shimizu Y., Itagaki t., Katsushima F., Katsushima Y., Ito S., Aoki Y., Matoba Y., Tanaka S., and Yahagi K.: Epidemic myalgia and myositis associated with human parechovirus type 3 infections occur not only among adults but also among childnre: Findings in Yamagata, Japan, in 2014. Epidemiol.Infect. 144:1286-1290,2016.
  8. Tanaka S, Aoki Y, Matoba Y, Yahagi K, Itagaki T, Matsuzaki Y, and Mizuta K.: Seroepidemiology of human parechovirus types 1, 3, and 6 in Yamagata, Japan, in 2014. Microbiol.Immunol.60:854-858,2016.
  9. 山川 達志, 水田 克巳, 黒川 克朗, 永沢 光, 山田 尚弘, 鈴木 恵美子, 和田 学. : ヒトパレコウイルス3型感染に伴う成人の流行性筋痛症17例の検討. 臨床神経学.57(9):485-491,2017.
  10. 栗村 正之, 水田 克巳, 山川 達志, 加藤 丈夫. : ヒトパレコウイルス 3 型関連筋痛症/筋炎:新興感染症としての流行性筋痛症.神経内科.86(3):307-314,2017.

他県での報告

  1. Yamamoto SP, Kaida A, Naito T, Hosaka T, Miyazato Y, Sumimoto S, Kohdera U, Ono A, Kubo H, Iritani N. : Human parechovirus infections and child myositis cases associated with genotype 3 in Osaka City, Japan, 2014.J.Med.Microbiol.64(11):1415-24,2015.
  2. Shinomoto M, Kawasaki T, Sugahara T, Nakata K, Kotani T, Yoshitake H, Yuasa K, Saeki M, Fujiwara Y. : First report of human parechovirus type 3 infection in a pregnant woman.Int.J.Infect.Dis.59:22-24,2017.
  3. Tanaka S, Kunishi Y, Ota M, Ono A, Kanno N, Kurakami Y, Yanagibashi T, Matsubayashi M, Hao Y, Iwabuchi K, Oshita F, Yoshie K, Kato Y. : Severe human parechovirus type 3 infection in adults associated with gastroenteritis in their children.Infect.Dis.(Lond).49(10):772-774,2017.

過去掲載分のパレコウイルスの記事

パレコウイルスと流行性筋痛症について(2014年7月掲載)

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